「地域包括ケアシステム」や「地域医療構想」という言葉。

大事っぽいけど詳しくは知らない、という方も多いかも知れません。

医療人として、国の方針を知ることは非常に重要!

今回は基本から詳しく解説します。

STEP1 2025年問題を知る

2025年、第一次ベビーブームで生まれた団塊の世代の全員が後期高齢者である75歳以上になります。

社会保障費の増大は避けられません。このことは「2025年問題」と呼ばれています。

STEP2 医療費の地域差を知る

2016年度の一人あたりの医療費が最も多かったのは、福岡県で約64.6万円。最少は新潟県で約47.2万円でした。

(参考:厚生労働省「医療費の地域格差分析」

 

その差、17万円以上!大きな差ですよね。

このような差が生まれる要因は「入院」だといわれています。

医療費がかさんでいる地域は、人口に対する病床数が多かったり、入院患者の割合が高かったりするためです。

来る2025年に向け、入院費を抑え、医療と介護が効率的に連携する必要があります。

STEP3 地域包括ケアシステムを知る

ここまでを踏まえると、国が推進する地域包括ケアシステムは重要な取り組みだとお気付きだと思います。

地域包括ケアシステムとは・・・

“団塊世代が75歳以上になる2025年を目途に、重度な要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される仕組みを構築しようというもの”

引用:鈴木尚之(2019)医業経営力 幻冬舎

高齢者が「在宅」で療養できるように、地域の医療サービス提供者、介護サービス提供者、さらには行政を含む関係者が連携し、サポートしていくのが特徴です。

出典:厚生労働省ホームページ

図表2-2-3地域包括ケアシステムの構築について

 

この「地域包括ケアシステム」の整備の一環として、「地域医療構想」に沿った医療体制の再編が各都道府県で進められています。

こちらも重要なので、「地域医療構想」に関しては続編記事を参照ください。


「地域包括ケアシステム」は今後の報酬改定の方向性を知る上でも重要です。

薬学生のみなさんも業界の常識として、理解しておきましょう!

 

記事全編
参考文献:鈴木尚之(2019)医業経営力 幻冬舎