もうまもなくですが…2022年4月に診療報酬改定があります。
内容は厚生局などから発表されていますが
薬学生の皆さんはチェックされていますか?

これから薬剤師になる方々にとって
この診療報酬改定の理解は非常に大事です。
なぜなら診療報酬が給与に影響を及ぼすからです。

2022年度の診療報酬改定、とくに調剤報酬(調剤薬局)に関しては
「対物から対人」というキーワードがさらに強化された内容になっています。

今までは、とにかくお薬を正確にお渡しする=「対物」が大事だったのですが、
これからは、患者さんがお薬を飲んだ後どうなっているかや、飲み合わせや重複投与など処方箋内容のチェック、
医師への疑義照会等、「対人」中心の業務へシフトしていかなければいけない内容になっています。

2022年度の報酬改定で「対物から対人」がどのような報酬となって表現されているか
「地域体制加算」「調剤管理料」に絞って解説します。

地域体制加算

「地域体制加算」は、2018年度改定で新設された評価制度です。
それまでの加算は主として薬局の体制整備(人員配置や施設基準など)を評価するものでした。

しかし、「地域医療にしっかり貢献しているという加算を取るのであれば、しっかりとした実績を示すべき。」という厚労省の意向が強く反映された加算です。

具体的には
麻薬の取り扱い、かかりつけ薬剤師としての実績、在宅実績、地支体ケア会議等の出席実績、
服薬支援、服薬情報提供料等の実績、時間外等や夜間・休日等加算、重複投薬相互作用等防止、
上記のような“どんな医療提供をおこなっているのか”についての実績を多く求められる算定要件となっています。

かかりつけ薬剤師による適切な薬学的管理の提供はもちろん、
在宅医療などあらゆる処方箋に対応する体制、安全性向上に対する取り組みなど、
地域医療に貢献する薬局を実績に基づいて評価する点数である事を理解する事が大切です。

特に2022年度の改定では、在宅実績が12件⇒24件と2倍になりました。
今後、地域連携を図る中で、在宅は必須になることは前提として
「対人業務はできるのか」で薬剤師の価値・給与も変わってくるかもしれません。

調剤管理料

もう1つの「調剤管理料」は、今までもともと1つだった「調剤料」という診療報酬が
「薬剤調整料」「調剤管理料」に分かれた形になります。

「薬剤調製料」は、薬剤調製や取り揃え監査業務など、いわゆる対物業務の評価。
「調剤管理料」は、処方内容の薬学的分析、調剤設計などの調剤料で評価されていた対人業務に加え、薬剤服用歴管理指導料の薬歴管理などの評価を含めて整理した形です。

こちらも患者情報の分析や処方内容の薬学的分析を行うことが重視されるようになっています。

 

今後も、国の方針を理解して、
どんな薬剤師になるべきか、そのために何が必要なのか考え、
高い評価をされる薬剤師になるため、診療報酬についても学んでいくことが大事ですね。