『将来MRになりたい!でも周りはみんな薬剤師になるみたいだし…』

MR・・medical representative(医薬情報提供者)。医療機関に対し訪問等を行い、医薬品の品質、有効性、安全性などに関する情報の提供、伝達、収集などの役割をもつ者。医薬品の適正使用と自社製品の普及を目的とする。

将来、製薬会社としてMRになって働くことを夢にみる薬学生の方も多いと思います。
しかし、一般的に薬学生の就職先は調剤やドラッグストアなど薬局が5割、病院が4割、残りの1割程度が企業や公務員、研究職と言われています。
MR希望の薬学生さんは、いざ就活を始めても情報収集が難しかったり、実際に周りの大学生と渡り合えるのかといった不安を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回、実際に製薬会社で人事担当として働かれているNさんに、薬学生がMRを目指すことのメリットについてインタビューしてきました!!

 

~インタビュー当日~

私  「本日はよろしくお願い致します。早速本題ですが、薬学生がMRになるメリットはなんでしょうか?」

Nさん「よろしくお願いします。いきなりですね(笑)」

私  「すみません。先走りました。」

Nさん「いいですよ(笑)先ほどの質問に対する答えでいうと、薬学部出身というのは昔ほどメリットはないかもしれません。でも、どちらかで言うならば薬学を学んできたからこそのメリットはあります。」

私  「昔ほどですか。。。でもメリットはあるんですね!」

Nさん「あくまで一般企業に勤める私個人の感想ですけどね。ひと昔前までは薬学生はMRになるために有利でした。というのも、大抵の製薬会社では、「MR認定証」の取得を義務づけています。MR認定証というのは、「公益財団法人MR認定センター」が実施しているMR認定試験の合格者に発行される認定証です。これの試験内容は(1)医薬品情報 (2)疾病と治療 (3)MR総論の3分野からなるのですが、薬剤師免許を持っていればこれの(1)~(2)の試験は免除になります。そういう意味では有利だったのですが、現在どこの製薬会社もこのMR認定試験の対策を行うので、正直昔ほどのメリットではないと思います。」

私  「なるほど。昔ほど有利ではないのですね。メリットはどこになるんでしょうか?」

Nさん「いくつか考えられるのですが、『MRとしてのメリット』、『MRじゃなくなってからのメリット』の2つが大きいですね。」

私  「なるほど。その2つのご説明をお願いしても良いですか?」

Nさん「わかりました。まずは『MRとしてのメリット』です。これはシンプルですが、信頼性と知識量という点です。私たちMRはドクターや薬剤師の方と接する機会は多いですが、その際に薬学部、薬学科というのは共通の話題になることも多く場合によっては、あそこの大学の薬学部ね!知り合いいるよ!などといったアイスブレイクにも役立ちます。また、MRは薬を扱うので商品情報やそれに関わる論文を読むことも多くあります。その際に6年間の下積みがあるのとないのとじゃ大きな差がありますね。」

私  「たしかに、専門性が高いからこそ深い話題で会話できたりすることもありますもんね!」

Nさん「その通りです。次に『MRじゃなくなってからのメリット』ですが、最近では一つの会社に長く居る。いわゆる終身雇用の時代ではなくなっています。その際に薬剤師免許を持っている元MRという肩書は非常に強いと感じています。」

私  「薬剤師免許を持っている元MRですか?」

Nさん「そうです。MRはコミュニケーションのプロだと私は考えています。その経験は必ず、その後のキャリアにプラスに働きます。その後一般企業に転職するのもそうですし、昨今薬剤師もコミュニケーション能力が求められる時代です。その能力がMRをやっていれば必ず身に付きます。女性の方は結婚や出産といった人生の転機を迎えた際も、免許をもっていればその後の将来設計がイメージしやすくなるのではないでしょうか。」

私  「そうですよね!そういう意味では営業職ももちろんのこと、薬剤師として働くなど選択肢が広がりますよね!そろそろお時間のようですので、最後に一言お願いしてもよろしいでしょうか。」

Nさん「わかりました。薬学生の皆さん。薬剤師になることも企業に就職することも一つの選択肢に過ぎません。ただ、イメージだけで自分の将来の幅を狭めるのはもったいないと思います。薬学部だから薬剤師。ではなく新たな可能性を考えてみることも人生を豊かにする秘訣だと思います。就活がんばってください!」

私  「本日はありがとうございました!」

 

~インタビューを終えて~

薬学生がMRになることのメリット!

・薬学を学んできたという専門性からなる信頼感!

・論文などを読む際の自力が備わっている!

・MRから転職する際の選択肢の多さ!

就活生の皆さん、参考になったでしょうか?

皆さんの選択肢が広がれば幸いです!!!