4月は新生活や新学年がスタートし、
薬学生や薬剤師の皆様におかれましても、期待と同時に不安が立ち込める時期でもあるかと思います。
薬剤師国家試験合格者の推移
2022年に行われた第107回薬剤師国家試験においては、厚生労働省より出願者数1万5,609人に対し、受験者数は1万4,124人、合格者数は9,607人と発表されました。
また、下記のグラフから分かるように、日本では薬剤師国家資格を所持している人は年々約1万人増えていることになります。
では、薬剤師国家試験合格者は全員薬剤師になるのでしょうか?
人生100年時代と言われる現在でさえ、今まで通り薬剤師として一気通貫することだけが選択肢なのでしょうか?
薬剤師としての人生の選択肢とは
令和2年3月に卒業を迎えた薬学生の就職先アンケートを見てみると、全体8,293人のうち、58%の方は保険薬局への就職を決断しています。
病院・診療所へ就職する方を合わせると全体の82.8%に登ります。
やはり多くの方は医療関係への道に進むようです。
下記フラフは厚生労働省で公表されています、薬剤師の業態別の割合推移になります。
過去30年間で、薬局に対する割合が徐々に高まっているのが理解できます。
したがって、薬剤師にとって薬局の存在感は増していると考えられます。
根底には、6年間もの長い時間をかけて勉強をされたので、その道を突き詰めるお考えがあるのでしょうか。
「薬剤師免許=薬局への就職の道」のみ頭にあるとも考えられます。
一方、少数ではありますが、企業、行政、医薬品販売業への選択をした方もいるようです。
企業に就職と言っても、全く違う業界にチャレンジする人もいれば、MR、治験に関するお仕事、薬局を経営支援する企業など幅は広いかと思います。
是非ここでは、薬剤師としても様々な道があることを理解していただければと思います。
薬剤師の転職状況はどうなっているのか
薬剤師の転職回数は、20代では86%の方が0回となっております。
30代を超えてくると、転職を経験する人も増えていく傾向にあります。
4分の1を占める転職理由はスキルアップのためのようです。
環境が変われば、求められるスキルも変わるようです。特に、これからは対物から対人への流れからコミュニケーション力や柔軟性は重要視されそうですね。
また、ご存じの通り、診療報酬改定が2年毎にあります。その際の対応力や、機敏さは本業界が人材に注目する点になるのではないしょうか。
一方、業界業種を問わず年齢別でみると20代の6割の方は転職経験が1回はあるようです。
その点、薬局業界は20代で転職を考えることが少ない傾向にあるようです。
薬剤師免許という国家資格を取得したものとして、専門性を突き詰める考え方が根底にあると伺えますが、その反面、他の選択肢が見にくいのかもしれません。
少し触れたように、薬局業界に従事する人は薬剤師だけではありません。
治験コーディネーター、臨床開発モニター、MR(医療情報担当者)、薬局経営コンサルタントなど道は様々です。
いかがでしたでしょうか。
薬剤師の活躍の場は実は広いのです!
今回は、このように薬剤師としての就職や新しい選択肢があることについて知っていただく第一歩になれば良いと考えています。
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今後のキャリアに不安がある方のお役に立てれば幸いです。